きみであれ
やさしさとか
きくばりだとか
そういうのおいといて
わたしはそのままのきみでいたい
うらみつらみも
かなしみくるしみだって
きみがもっと味わいたいと誰かが言うんだ
「局所的に分布するわたし的存在の蓋然性」
「居場所をもとめたきみに呼ばれる」
無感動を垂れ流しながら通り過ぎていく人々
わたしもその中のひとつとして過ぎていく命なんだろうか
「漫然と景色が瞳の枠に収まって」
「あふれ出そうになるボールを留めておくのに必死なのだ」
「時が弾丸のようにきみの体を貫こうとする」
そういえば・・・・・・「 」いや、忘れた
(雨粒でできた王冠をかぶりたい)
「袖をまくれば季節の変わり目」
(周りはすこしずつ足が速いかその逆で)
「その差はすくすくと育っていく」
また来る明日が嫌になる
そんな今日を感じている自分さえ嫌になる
「今走る」
「ずれを ずれをどうにかせねばと」
「歩道の横を無心な車が」
田んぼの生き物の鳴き声が、うるさいくらいに生命的だ
わたしもそんなふうになりたい
そんなふうにありたい
この瞬間にわたしはきみであろうとしたい
≪二人の間で世界が曖昧に色付いていく≫
「どうか永劫にこのままで」
「 」
憧れも 思い出も
みんな糸遊みたく漂って見える
((先なんて知るものか))
さあ、わたしよわたし わたしさん
世界で一番 わたしらしく
他の誰より きみであれ